SDGs(エスディージーズ) X 牛飼い / JAうつのみや・大根田一男牧場を取材しました。

今回はJAうつのみや農営部畜産課丹治洋介さん、JA東日本くみあい飼料株式会社吉澤康太さんに取材同行いただき説明いただきました。大根田一男牧場は宇都宮市新4号バイパスインターパーク近くに立地していますが住宅街と農地に囲まれた閑静な場所にあります。写真のように放牧した牛が道路に面しており時折、車がスピードを緩めて牛を眺めているそうで東行西走な日常に長閑でゆっくりとした時間を提供しています。写真の左が一男さんで右が孫の猪瀬友里君です。表情豊かな牛の写真は友里君が提供してくれました。友里君は現在県の農業大学校で苺の勉強をされて今春卒業予定。高田酪農機株式会社に就職が決まっています。学校が休みの土日祝日を利用して牛飼いを手伝っています。交配する種雄牛は友里君が決めているそうです。

大根田さんは酪農を営んでいましたが7年前に和牛繁殖に切り替えました。腹身の経産牛を数頭鹿児島から導入し雌を素牛として残しながら現在5頭の親牛がいます。それ以外に後継牛として2頭の雌牛を確保しています。牛白血病(BLV)フリーを維持するために外部導入はせず自家産で10頭まで増頭予定です。この土地で酪農創成期から奥様と二人で約60年間牛飼いをされていた貴重なお話を伺いました。最盛期には約60頭のホルスタインを飼養していたそうです。

約2haの土地で放牧する一方で採草地として利用しイタリアンライグラス、ひえ、他禾本科牧草をロールにして乾草、サイレージとして給与しています。WCS(稲ホールクロップサイレージ)は近隣から購入しています。その他写真のように近隣から芋茎、レタス等野菜を提供してもらっています。

放牧場で受精し分娩したら牛舎に移動、4ヵ月で離乳させるまで親子同居します。写真は今朝生まれたばかりの子牛を親が舐めてあげているところです。敷き藁がふんだんにあり快適な環境です。牛舎にいる間のみ配合飼料を給与します。放牧しているお陰で難産や胎盤停滞などの事故も皆無だそうです。

JAうつのみやでは“牛ラボ”という研究会があり組合員の研修や勉強会を開催して活動しています。また農家巡回もこなし市場に出す牛の準備や妊娠鑑定事業も活発に行っています。

最後に高齢化が急速に進む中で友里君のような若手が畜産業に興味をもっていただき大変希望をもつことができました。将来就職され多くの社会経験を経てまた興味があったら畜産界に戻ってきてね!!(強制はしません)