美国桜(もとじろうファミリー)の故郷 松本一さんを取材しました。

5月11日(月)美国桜で有名な松本一(まつもと はじめ)さんを取材しました。ここから先は一部日本名牛百選Ⅴ(小野健一著 肉牛新報社)を参考にしました。詳しく知りたい方は是非購入してください。

美国桜の母はH15年生まれのもとみつで先日掲載した角田正雄さん所有のもとじろう(紋次郎)に美津福で採卵し生まれた雌です。角田正雄さんと松本一さんは同級生で角田正雄さんから譲ってもらった受精卵の2個受胎した牛の1頭である。もとみつは大人しい牛で年2回採卵した。かなり数はとれたため現在の大きなファミリーを形成するに至った。(別紙参照)体格は体高はあったが美津福のため幅や深みには乏しい牛であった。美国桜(H19年7月5日生まれ)はもとみつを母に青森県所有の第一花国を交配しET産子で松本一さん宅で誕生した種雄牛である。(鹿児島 徳重和牛人工授精所所有)もとみつからはその他百合茂を交配したもとゆり、同じく第一花国を交配したもとくに、島根県所有の宮崎県所有の忠富士を交配した本忠福などが知られている。先日常陸牛トップもこの本忠福である。美国桜は安福久と似通って雌牛の肥育成績が傑出している。上物率が高く、増体が良いものも悪いものもサシが同じように入ることが特徴で増体の悪いものはサシがあまり入らないという常識は当てはまらない。また安福久と違う点は脂肪の質が良く食べて美味しいということである。交配の注意点としては同じ藤吉系の雌牛と交配する近交の場合虚弱体質や極端に小柄になる傾向があり注意が必要である。矢板家畜市場においては母牛としての評価も高く、安福久と比較されることも多いが近年では上回る評価がされている期待の牛である。

松本一さんは現在も酪農家で搾乳18頭、繁殖牛32頭(うち5頭以外はもとじろう直系母牛)1頭(茂洋)以外は自家産 粗飼料はオーチャードストロー、藁、チモシー(少々)配合飼料は農協から購入1~2kg/頭、リードフィーディングはお産2か月前から開始 リードフィーディングには圧ぺん麦を用いて妊娠鑑定後まで給与する。とくに繁殖管理に力を入れ発情見逃しはしないようによく観察している。白血病もフリーを目指している。

美国桜号

松本一さん所有の雌牛の一部を紹介します。

きよえ 百合白清×安福久×平茂勝×上福 めい 美国桜×美津照重×勝忠平

わか7767  福之姫×安福久×勝忠平

また同じもとじろう系なつあき(安福165の9×もとじろう)の受精卵も2個受胎していると伺った。

もとじろう系を中心とした血統的に魅力のある牛ばかり所有されているのでこれからも素晴らしい種雄牛が地元から生まれてくることを期待しております!!

取材に応じていただき感謝申し上げます。また膨大なもとみつ系統図(青森県職員作成)を提供していただきありがとうございました。系統図は個人情報が多く含まれるため編集し後日アップします。