「バイパスメイト®L」の採卵牛に対する利用について/油化産業㈱ アグロメデック事業部

「バイパスメイト®L」の採卵牛に対する利用について

2023年1月30日

                   油化産業㈱ アグロメデック事業部

 

皆様、寒さが厳しい中、如何お過ごしでしょうか。

油化産業と申します。

 

畜産経営において繁殖成績は重要であります。畜産農家の皆様は残したい特長や優秀な血統を見て、種付けされているかと思いますが、中には受精卵移植を実施している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

バイパスメイト®Lのことは、過去に何度か記事を投稿させて頂きました。給与することで子宮回復、黄体退行、排卵誘発による発情回帰の短縮効果がありますが、実は採卵成績の向上にも効果を示しております。

 

 

今回はバイパスメイト®Lが採卵成績に及ぼす影響について試験データをご紹介します。

 

下記の通りの試験を実施しました。

試験場所 北海道・十勝地方(9月20日~翌年5月31日)

供試牛  黒毛和種(83頭)

給与区 分娩グループ(分娩→採卵→繁殖)、未経産グループ(採卵)

対照区 分娩グループ(分娩→採卵→繁殖)、未経産グループ(採卵)

 

バイパスメイト®Lは毎朝1回サイレージ給与時に、1頭当たり100gをトップドレスしました。

 

試験結果

 

分娩牛の採卵後に、繁殖へ移行した際の受胎率について示します。

対照区に比べ、給与区は受胎率が高くなり、不受胎率は低くなりました。これはバイパスメイト®Lに含まれるリノール酸が、受胎率向上に効果を示したものと考えられます。

 

分娩牛の採卵成績です。

給与区の正常卵数と採卵合計数が多くなりました。

 

分娩牛の胚ランクです。

給与区でAランク胚の割合が増えました。

 

未経産牛の採卵成績です。

給与区の正常卵数が有意に多くなりました。

 

未経産牛の胚ランクになります。

給与区でAランク胚の割合も有意に増えました。

 

 

まとめ

 

・バイパスメイト®Lの給与により受胎率の向上、不受胎率の改善につながりました。

・採卵成績において正常卵数、Aランク胚の割合が増加しました。これは、バイパスメイト®Lの給与による、オレイン酸等が母牛へのカロリー補給となり卵子へ活力を与え、リノール酸が排卵誘発の効果で卵数増加に影響したと考えられます。

 

最後に

 

それぞれの目的に合わせたバイパスメイト®L推奨給与方法です。

ご興味を持って頂けた方は、採卵の他にも、AI、受精卵移植の目的でも給与が可能ですので、是非ご利用下さい。

 

畜産業界が大変厳しい状況にありますが、バイパスメイト®Lをご使用頂き、繫殖成績の面から経営の一助になればと思います。

 

 

過去のバイパスメイト®Lに関する記事も、ご興味があればご覧ください。

バイパスメイト®Lの養牛(乳牛、繁殖和牛)への給与について / 油化産業㈱ | とちぎの和牛を考える会 (tochiginowagycu.com)

 

 

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