寒冷期における呼吸器病対策について

空気も冷たくなり、秋も徐々に深まってまいりました。
ハエの発生が落ち着きだすこの季節に増えてくるのが、牛の呼吸器病です。
呼吸器病はウイルスおよび細菌等の病原微生物の感染、ストレス等による免疫状態の変調などにより発生し、牛の産業界で最も経済的損失の大きな疾病の1つです。とくに子牛は免疫システムが未成熟なために呼吸器病などの感染症を発症しやすいです。また、黒毛和種の子牛は、ホルスタイン種の子牛に比べて免疫作用を有する細胞の数が少なく、感染症に対するリスクが高いとされています。
呼吸器病は寒冷期に増加する傾向があり、要因としては以下があげられます。
・空気の乾燥によるウイルス浮遊率の増加
・寒暖差や寒冷、過密飼養のストレスによる免疫力の低下
・牛舎内の換気不足によるアンモニアの滞留
呼吸器病の対策としては①畜舎の消毒・環境整備、②導入牛の隔離・観察、③ワクチン接種などがあります。とくに消毒作業に関しては作業者によって大きく効果が左右されます。消毒剤は用法用量を徹底し、消毒前の水洗、乾燥を十分に行うことで、その効果を発揮します。また、各種ウイルスに幅広く効力を示す消毒剤を選ぶことをお勧めします。
殺虫剤と違い消毒剤は効果が目に見えにくいものです。しかし疾病が発生し、手遅れになる前に日ごろからの消毒と予防の意識をもっていただければと思います。

消毒剤のご紹介

グルタプラス
有効成分量:グルタルアルデヒド50%水溶液…40.0g(100mL中)
製品規格 :1kg、19.5kg
用法・用量 :畜鶏舎及びその設備に160~800倍水希釈液を
1m²につき100~300mLを直接噴霧する。

 

 

特長:緩衝剤の添加が不要ですので、水で希釈してそのまま使用していただけます。
また有機物の影響を受けにくく、金属腐食性も低いため畜産現場での使用に適しています。
各種ウイルスに対しても幅広い殺菌力を持ち、口蹄疫ウイルス、牛ロタウイルス、牛RSウイルスに対して活性抑制効果も確認されています。