とちぎ和牛を考える会 若手の会和牛 敷島ファーム視察報告
和牛ゲノムは農家の生産性を高めるのか?
当会の若手の会で、那須町の敷島ファームを視察してきました。日本で最も和牛ゲノム(G-Eva)を活用しているといわれる農場で、その活用方法と効果について聞いてきました!
【和牛ゲノミックの活用の効果】
母牛の能力(個体の遺伝的特徴)を知ることで、欠点をカバーする種雄牛を選定する。改良をコントロールすることで成績の良い牛ばかりで結果が安定していく。
まず、遺伝病を持っている牛は繁殖に使わない。さらに未確定の遺伝的リスクも避ける。例えばSD(骨格粗大症)はリスクのある遺伝素因として把握している。敷島ファームでの死亡子牛の約半数がSDを保有していたので、SD保有の母牛も種雄牛も使用しない。分娩事故は現場の士気が下がる。また後継を残さないと判断した親牛には雄性判別を使用する。
例:福之鶴の6角形
枝重を改良していけば自然と素牛出荷時の体重も大きくなる。
能力を把握したうえで実施する事で無駄なく能力の高い可能性のある受精卵を生産できる
農場全体的に能力の高い子牛を生産する事で将来的に肥育農家から喜ばれ、安定的に子牛の購入をしてもらえる可能性が高まる。
本宮市場、渋川市場などがゲノム情報開示へ舵を切っているので、矢板市場も開示する流れになった時のために、ゲノム改良は先んじて進めておく方が良いかもしれない。
【農場視察】
敷島ファームは黒毛和牛一貫生産の畜産事業を中心に、企業内耕畜連携型の農園事業、食肉加工・販売からホテル、レストランなど幅広く手掛ける、那須に本社をおく多角的畜産企業です。
数字で見る敷島ファーム
印象的だったのは2つです。1つ目は、母牛を一番大切にしていること。2つ目は、ルールを徹底して誰がやっても成績が安定する仕組みを作っていることです。
母牛を大事に、子牛を丁寧に
健康な子牛を産み、健全に哺乳してもらうために母牛の管理に手をかけていました。分娩には母牛に粗飼料を飽食させ、個体ごとの情報を細かく把握して対処しており、牛が多いからこそ基本に忠実に管理をしていました。
ルールの徹底
例えば「流産・死産・生後間もない死亡が2産続いた親牛は繁殖除外」などです。これはまだわかっていない遺伝疾患を持っている可能性があると考え、牛群に遺伝子を残さないという判断です。
他にも多くのマニュアルが見えるところに掲示されていました。マニュアルはその場ですぐに確認できるようになっていることが大事です!
下痢の対応
親付けは基本24時間自由に子牛が親のところへ行けるようになっています。下痢をした場合は朝夕1時間ずつの制限親付けとして、必要に応じて経口薬や点滴などの対応。週に3回の管理獣医師による巡回があるため、現場の状況をきめ細かくやり取りして、現場での処置と獣医師による診療で重症化することはとても少ないようです。
子牛だけが通れるスキマ
子牛エリアの敷料
子牛エリアの敷料はオガクズの週一回の交換で、親牛が子牛エリアに入れないためあまり汚れない。



