

今回は枝肉共励会で最近メキメキと頭角を現し、評判になっている大田原市金丸の菊地貴亮(きくちたかあき)牧場を取材しました。肥育牛舎はライスラインを少し入ったところで周囲が杉林で静かで環境の良い場所に立地します。牛舎もまだ新しく整理整頓され清潔さが保たれており、取材時は3月末でしたが換気もよく肥育牛舎独特の匂いもほぼしなかったです。牛舎を建てる際は同じ部会の磯博樹さんの肥育牛舎を参考にしたそうです。貴亮さんは経営を継いでから26年目で間もなく後継者の息子さんも加わる予定で楽しみですね。


菊地貴亮牧場では肥育65頭前後、繁殖母牛20頭の一環経営で素牛は自家産が15頭前後/年上がってきて足りない分を約80%矢板市場、残りを山形県置賜市場、福島県本宮市場から導入しています。肥育期間は20ヶ月前後で月齢で29~30ヶ月で出荷しています。血統的は2代祖、3代祖に美国桜、安福久、諒太郎が入っている素牛を導入しています。矢板市場では平均より上の価格を導入しています。興味深いのは自家産は雄雌とも肥育し雄雌を同居させて肥育している点です。飼い直し期間は2か月間で配合飼料は前期後期を分けて使用せず後期配合飼料を一貫で用い、ビタミンコントコールのみ行います。導入~4か月間はバイパス蛋白を1kg、チモシー乾草2kg併せて給与します。ワラも使用します。20か月齢を過ぎたらビタミンプレミックスを2週間に1回給与します。その他スーパーバカス(商品名)(粕類ウエット混合飼料)を約1.5kg/1マス/日を食欲増進目的で給与、活性炭を肉質向上(味)と臭い対策で使用。配合飼料は最大11~12kg、ワラは2kg程度 ワラは自給で約1,300本(200kg)うち半分は他人の田んぼ


1マスに2~3頭入れ広々としたスペースが特徴的でした。マスの移動は1回で出荷して空いたところに移動します。JAなすの枝肉研究会をはじめとして、年20回共励会が開催され2~3頭/月出品しているそうです。一般出荷と比較し100円~200円/kg単価が高くなります。
敷料はバーク+籾殻で1~1.5ヶ月に1回交換しています。

成績が向上した要因は3~4年前に配合飼料が高騰したときに長年使用していた銘柄を部会仲間も使用し始めていたことから同じものに変更したところ成績が向上し始めたということです。従来のやり方もその時に変更し導入にビタミン注射も廃止、飼い直し期間の育成飼料給与も止めたそうです。ビタミンコントコールは配合飼料に添加したものだけで行っています。変更後の事故は2年に1回程度の起立不能だけだそうです。写真は間もなく(2~3ヵ月以内に出荷する牛)ですが背中の盛り上がり、幅、臀部の丸みがお分かりになると思います。
素牛導入時の選畜目安として日齢は280~300日、体重は日齢+30kg以上、外貌は幅、深みがあり背線がまっすぐで臀部にやや丸みがあることが条件だそうです。

写真は自宅横の繁殖牛舎で父親の代はここで肥育をしていたそうです。最大で120頭肥育したこともありますが代替わりしてから繁殖を始めるため肥育を50頭位まで減らした時期もあったみたいです。

パドックは広々としており日向で子牛がくつろいでいることが分かります。
最後に最近は豚肉、鶏肉の消費が旺盛で在庫が減っている一方で牛肉の在庫が増えている悲しい現状があります。JAなすのでは牛肉消費を喚起するため様々な取り組みを実施しています。そのなかでラグビーチーム(サントリー、HONDA)からスポンサーのオファーがきて〝とちぎ和牛〟を提供しているそうです。生産者のモチベーションも上がってきているみたいで非常によい取り組みだと思いました。また部会を統合してから購買者である問屋とゴルフコンペを催すなど肉の販売に益々力を注いでいます。先日日経新聞に掲載されていましたが隣県でも消費に関して活発に取り組んでいるので負けていられません。
ホームページをご覧になった方はとちぎ和牛を購入していただけると嬉しいです。
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