はじめに畜産関係者以外の方のためにご説明させていただきます。皆さんは「和牛全共」を御存じでしょうか?和牛全共とは全国和牛能力共進会の通称になります。全国から選抜された優秀な和牛を5年に1回のペースで競う言わば“和牛業界のオリンピック”のようなものです。2部構成になっており体型の良さや改良成果を競う「種牛」の部と枝肉の状態で肉質を競う「肉牛」の部があります。毎回会場が異なり第12回は鹿児島県霧島市で10月6日~10日(5日間)開催されます。興味のある方は畜産関係者以外でも来場してみてください。一般の人も楽しめるイベントになっています。
令和4年7月14日矢板家畜市場で第12回全国和牛能力共進会(鹿児島全共)栃木県最終選考会(種牛)が開催されましたのでその模様をご報告させていただきます。審査は各区で2回行われました。審査は県職の方々、畜産協会の方々、(社)全国和牛登録協会の工藤太助さん、菅野成厚さんが行いました。
《 審査結果 》
※ 母の分娩間隔が県平均以上であることが条件
◆第2区(若雌の1)候補牛4頭→代表:清水芳夫さん出品きりしまひめ号(福之姫X百合茂X安福久X平茂勝)登録協会講評(抜粋):体積、深さ、張り、特に後軀が優れている。高さ、深さがあり被毛が優れているが体積の面でやや体の緩さを感じるのが欠点→運動をさせることで克服して欲しい。リザーブ:高柳文浩さん出品みおふく号(福之姫X美津照重X安茂勝X福桜(宮崎))登録協会講評(抜粋):比較すると体積がやや足りない。品位は上。
◆第3区(若雌の2)候補牛5頭→代表:白井通さん出品ちよさく号(幸紀雄X勝忠平X安福久X忠富士) 登録協会講評(抜粋):体積良好、中軀に長さ、深さがあり筋しょうが良い。中後軀にかけて肋張り、尻の形状、被毛も良い。リザーブ:豊田勝保さん出品わかざき号(若百合X幸紀雄X安糸福X平茂勝)登録協会講評(抜粋):比較すると若雌らしさに欠ける、体が緩い、締まりがない。品位は上。
◆第4区(繁殖雌牛群)代表3頭:大森政宏さん出品みつこ号(美津照重X平茂晴X安糸福X平茂勝)、ひろみつ号(美津照重X茂洋X安福久X平茂勝)、大平博和さん出品みな号(美津照重X百合茂X北国7の8X紋次郎)
※今回から3代栃木県産の牛でないとダメ
登録協会講評(抜粋):体長、深みがあり良い。気質密度があって良い。乳房の質は良くないが容積がある。欠点として後肢の強さがない。体上線の強さがない。
◆特別区(高校及び農業大学校の部)候補牛10頭→代表:とちのみ号(栃木農業高校)リザーブ:はなこ号(矢板高校)
と決定致しました。
出場された方々、関係者の方々は朝早くから牛の手入れ、調教等お疲れ様でした。全国から強豪が集結しますが栃木県選抜の牛が上位になれるように期待しています。