豊田勝保(とよだかつやす)牧場/西那須野を取材しました。

栃木県内でもコロナウイルスの猛威が収束しやっと取材できる状態になりました。今回は那須塩原市(旧西那須野町)太夫塚の豊田勝保牧場に伺いました。写真のように牛舎の裏は広大な粗飼料畑が広がっています。伺ったときは丁度収穫後でした。2枚目の写真の左側が息子さん(後継者)で現在栃木県農業短期大学校に勤務されています。右側が勝保さんです。

豊田牧場は酪農と和牛繁殖を行っています。元々は酪農メインの経営でしたが平成18年度に生乳の生産調整が行われた前年にそれまで成牛約50頭→30頭に減らしたために更なる規模縮小をせざるを得ない状況になり止む無く和牛受精卵移植を活用し和牛生産主体になった模様です。乳牛には受精卵移植かF1生産で受胎させホルスタインは受精せず、導入で更新します。現在乳牛22頭、和牛45頭

酪農は主に奥様が担当し、勝保さんは和牛を担当します。息子さんも学校が休みのときは手伝いをされているそうです。

粗飼料畑は6町5反+8町(借地)でデントコーン、イタリアンライグラス、グリーンミレットを栽培しサイレージにして給与しています。WCS(稲ホールクロップサイレージ)は近隣から購入し給与しています。

飼料給与に関して配合飼料はお産予定2ヶ月前500g~1kg程度から2kgまで増し飼いしデントコーン1kg+自給粗飼料飽食、子牛は購入輸入乾牧草を給与します。乳牛からの流れで和牛も早期離乳し人工哺乳します。

 

豊田牧場の一番の特徴はゲノム活用です。雌牛は全頭ゲノム検査を行い、AもしくはHの能力の高い牛のみを残すようにしています。脂肪交雑、ロース芯、枝重は外せないそうです。導入した牛も全頭検査し能力の低い牛は直ぐに売却するこだわりようです。家畜改良事業団の精液に関してはG-Eva®(ジーバ)を活用し交配に活用しています。ゲノム評価の場合、従来の推定育種価が出る前にその能力を評価できる点がよいと仰っておりました。写真の牛は今話題のあやめ号直系の牛です。県外から白鵬85の3、百合白清2(鳥取)、満天白清(宮崎)、秀幸福(鹿児島)等を導入しています。

1マスに入れる牛を制限したり、雄雌を別々に管理するなどストレスがないように工夫されていました。飼槽も自家産サイレージが飽食状態であり、しっかり食い込ませてあるので腹がしっかり出来ていることが分かります。

最後に若い後継者もおりゲノム活用など最新の技術を導入し活気のあるこれからが楽しみな農場でした。