那須町 渡邊毅(わたなべ つよし)牧場を取材しました。

今回は渡邊毅(わたなべ つよし)牧場を取材しましたのでご紹介致します。渡邊毅牧場は以前取材させていただいた高久淳平さんの直ぐ近所で那須町の国道4号線から少し黒田原方面に入ったところに立地しています。

写真は左から毅さん、長女の千夏さん、長男の光君です。普段は毅さん、千夏さんで牛のお世話をしていますがたまたま春休みで戻ってこられていた光君も写真に撮りました。

光君は就農すべく現在は和牛一貫肥育の人見牧場で研修中で日々勉強中だそうです。将来は兄弟で経営する予定だそうです。

渡邊牧場では現在未経産牛も入れて63頭飼養しております。兄弟で継ぐことを考えて将来は80~90頭規模にする構想だそうです。

 

母子分離は約1週間で早期離乳→人工哺乳~約3か月半間 早期離乳をする理由は病気の発見を早期にできるからだそうです。取材時は比較的寒かったので哺乳子牛にはカウベストが着せてありました。母子分離するため冷えるからです。また下痢や肺炎予防のため下痢5種不活化ワクチンやTSV3(鼻腔噴霧ワクチン)、ヘモフィルス、IBR5種混も接種しています。

写真の通り人慣れしているので人間が近づいても怖がって逃げないで近寄ってきます。普段から牛に対して丁寧に接していることがよく分かります。

乾草も細かく切って牛が食べやすい高さに飼槽を調整してあります。非常に清潔です。

パドックには48頭(経産牛2産以降のみ)初産を入れると性格的に負けてしまうため別飼い。写真にはありませんが分娩管理に全農の“牛温計(ぎゅうおんけい)”を利用されていました。これは分娩が近づくと体温が下がることを利用し分娩時期をしらせてくれるセンサーです。分娩前に膣に入れます。現状では誤脱も多いそうなのでチェックも必要だそうです。分娩予定日を過ぎたら過大児による分娩事故を防ぐため約1週間でPGで早期分娩させます。

血統は人気のものを選抜しており白血病フリーにするため基本的に自家産を後継牛として残し導入は60頭中3頭だけだそうです。母牛として1番人気の安福久も18頭います。種雄牛は福之姫、勝乃幸、若百合、百合白清等人気のものを受精しています。34~35年前に先代から母牛5頭で継いで60頭規模まで増頭しました。

草地は畑4haオーチャード3回/年収穫、水田17ha(11haがWCS)イタリアンライグラス1回/年→WCS収穫、2haイタリアンライグラス+グリーンミレット単播

近年離農した農地が多く牛の頭数とのバランスを考え草地をより多くしているそうです。近隣の緑土保持、水田保持の観点から牛飼い仲間で転作利用を推進しています。

後継者の千夏さんに実際牛飼いを始めて苦労したことやイメージと違ったことを伺ったところ、小さい頃から牛舎に入って父親の手伝いをしてきたからギャップは感じなかったそうです。

最後にこれは1次産業全体に言えることかもしれませんが若い後継者不足で若い後継者同士の交流が極端に少ないと感じました。とくに若い女性の後継者は少なく、若い女性のコミュニティの必要性を感じました。