2021年5月6日
肥育牛へのオレイン酸チャレンジ
油化産業㈱
アグロメデック事業部
和牛全共がそろそろ近づいて参りました。来年2022年10月開催予定とのことです。昨年久しぶりに開かれる予定であった乳牛の全国共進会が新型コロナウィルスによって開催中止となってしまいました。現在この記事を執筆中の2021年4月時点では東京五輪も開催の是非が問われており、非常に危うい状況であるといえます。
ところで、和牛肉の美味しさとはサシであり、脂肪の質、、、脂肪酸組成、特にオレイン酸が注目され、このオレイン酸の脂肪中の濃度を枝肉の状態で簡易に測定できる機器も出回り値付けの参考になっている地域もあるようです。そこで、脂肪酸といえば当社が黙っているわけにはいきません。
至極単純にオレイン酸にはバイパスするオレイン酸を給与してみました。
製品名は「オレオメイト」。オレイン酸70%の高配合の脂肪酸カルシウムです。
下記の通りの試験を実施しました。
試験期間 2020年
試験場所 中部地方
供試牛 黒毛和牛血統の近い雄雌16頭(試験区8頭、対照区8頭)
給与飼料 図1の通り
その結果、血漿中のオレイン酸濃度は約5%ポイント程度高くなり、オレイン酸がバイパスされ吸収されていることが分かりますが、残念ながらその差がそのままロースの筋間脂肪へ移行するわけではなく、血中へ吸収された後に他の脂肪酸へ変換されている部分も多いと思われます。また、血統のせいかもしれませんが、対照区のオレイン酸濃度が50%前後なのでこれを某県のブランド和牛のように55%レベルまで引き上げるにはそうそう簡単なことでは無いのかもしれません。しかし、オレオメイトを給与することで血液中には確実にオレイン酸が増えたことで、可能性が見えました。給与する時期(ロース中へ脂肪が最も蓄積する時期)を考える等多少の工夫をすればもう少し変化させることができるかもしれません。
製品名;オレオメイト
包 材;20kg紙袋
給与方法;肥育牛出荷前3カ月から100g/日給与
ご用命、お問い合わせは下記へ
油化産業㈱アグロメデック事業部
TEL03-5793-1454
FAX03-5793-1479
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