川上偉功牧場取材レポート“福之姫”

川上偉功牧場は旧湯津上村近くに箒川、那珂川があり田園地帯で非常に開けたロケーションにありました。川上牧場は今注目の“福之姫”を輩出した農場で有名です。写真は福之姫の親の“ふくひめ”です。福之姫は親のふくひめと種雄牛の芳之国の之を取って名付けられた。ふくひめは平成17年生まれで育種価が高いことから栃木県畜産協会から選抜され、当時家畜改良事業団の計画交配の30頭のうち1頭に選出された。ふくひめは温厚な性格で非常に飼養管理し易く、繁殖も良い牛だそうです。注目されてから採卵をしていますが晩年なのでなかなか取れなくなったみたいです。忠富士、幸紀雄で採卵した後継牛がいます。福之姫の特徴は小柄で発育は中程度で良好、性格は親に似て大人しく非常に人慣れした牛であった。6か月~7か月齢まで当牧場にいたそうです。

川上牧場では親26頭(後継牛合わせて)飼養しておりハウスいちご栽培と和牛繁殖の兼業農家です。粗飼料は自給でイタリアンライグラスロールを4町(1回/年)、稲ホールクロップサイレージ(WCS)を4町作付けしている。WCSは専用種であるため品質も嗜好性も良いそうです。4か月~5か月を目途に発育を見ながら1か月かけてゆっくり離乳をし、写真のように親子付けは牛舎で過ごし、受胎したら環境の良い広いパドックに放し飼いをしています。

非常に管理が行き届いており親牛や子牛も大人しく人慣れし、子牛の頃から手をかけていることがよく分かりました。

最近はコロナウイルスで沈滞した畜産界ですが、川上牧場のように栃木県から1頭でも多くの種雄牛が選抜され、畜産界が盛り上がることを望みます。またこのような時期だからこそ自給粗飼料を見直し高品質低コストな経営を目指すべきなのでは?と感じました。