『安福久号』のルーツ牧場

農場には23頭の母牛と3頭の育成牛が係留されており奥さんと二人で管理しています。母牛23頭のうち20頭はもとじろうの母「もとひかり」を先祖とする系統で占められ8割強は同一ファミリーです。他3頭は主に移植用として利用しているとのことでした。

基礎牛「もとひかり」(81.1点)は島根県簸川群佐田町(現出雲市)で生まれ市場でセリ落とされ室井牧場に来ました。この牛は大柄で性格は温厚、飼い易く、繁殖が良く、子育ての上手い理想的な牛で室井牧場の中枢の牛となりました。「もとひかり」はAIで14産しそのうち1~5産、7産目、9産目に紋次郎の♀(7頭)を産出しておりETによっても3頭の紋次郎の娘を残しました。何と云っても印象的なのは初産の娘「もとじろう」(82.5点)は全国一と言われる「安福久号」を生産した超有名牛ですし2産目の「さだひかり」(80.6点)7産目「ありさ」(82.4点)の系統も次世代、次々世代へと優良遺伝子を受け継ぎ、市場で高い評価を得ていて「もとひかり」が和牛界に与えた功績は計り知れないほど多大です。因みに6番目の娘ありさの子「みずきありさ」(平茂勝)ETは矢板市場で420万4千円(H22/10/7)で売却されており矢板市場歴代の最高値を記録しています。

牛舎は23頭1群のつなぎ係留で飼養されており凡そ分娩予定日10日前から隣牛舎の分娩・育成舎に移され出荷に備える管理法で分娩後は再度、群に戻され哺乳・育成しながら授精・ETを行う体系で飼われています。一方子牛は4か月齢まで母牛舎内に専用スペースで母牛と同居して飼われ離乳後4~7か月齢は育成・分娩牛舎に移動し飼育されその後別棟のスペースに移され出荷に備えるという省力化された飼養方法をとっております。