IoT活用による牛群管理

これまで立雄さんはPC活用やスマホ普及前から携帯決済等新しいことにチャレンジしてきた。

最近は酪農では普及し始めた発情発見センサー(以後万歩計)および分娩開始通知センサー(以後分娩センサー)を導入活用しているので紹介したい。

万歩計と分娩感知センサー装着による省力化

万歩計は分娩後1ヶ月に牛の肢に装着し、発情が始まると牛の歩数が高まる性質を利用した活動計で受精適期を教えてくれる。その他卵胞嚢腫等の排卵障害、発情回帰等不受胎も知らせてくれる便利なツールである。当農場ではセンサーが5台しかないため妊娠鑑定プラスになると直ぐに別の対象牛に装着して使いまわしている。現在の問題点は受胎後発情回帰しても発見出来ず繁殖率が低下していることである。その解決策として妊娠鑑定を2回実施することを検討している。

一方、分娩センサーは家と牛舎が離れているため分娩介助に直ぐに立ち会えるよう導入した。センサーは牛の膣内に挿入するが当農場においては分娩予定日に挿入している。挿入が早いとそのストレスで分娩が早まる事例があったためそのようにしている。予定日より早く分娩した個体については生まれる子牛が小さいことが多く難産にならず自然分娩で問題にならないらしい。分娩センサーは分娩兆候1時間毎に1℃体温が低下する性質を利用し携帯電話、PC等にメールで通知してくれる。

 

第一報は分娩24時間前に段取り通知、第二報で約12時間前にセンサーが膣外に排出され駆けつけ通知がある。この時点で牛舎に向かい直検し逆子等子牛体位を確認し分娩に備えるといった手順で分娩事故を防止する。通信費用として約月額5,000円かかる。家と牛舎が離れていなくとも多頭飼育する場合は活用して欲しいツールであると感じた。