那奈雄を輩出した佐藤雅彦さん(那須町)を取材しました。

今回も更新が遅くなり大変申し訳ございませんでした。那須町の佐藤雅彦(さとう まさひこ)さんを取材しました。県内において〝福勝鶴〟に続いて那須町から新たな種雄牛(家畜改良事業団)が選抜されました。〝那奈雄〟です。三代祖は幸紀雄 X 安福久 X 勝忠平です。佐藤雅彦牧場は繁殖親牛35頭、子牛30頭(2024年12月末時点)母牛は少数精鋭で血統が良く優秀な牛のみを残すようにして7~8頭/年 採卵し、受精卵移植引き取りで子牛販売数を確保しています。借腹は知り合いの酪農家にお願いし金額は15万固定だそうです。獣医師がレシピエント牛の黄体確認を行い、移植当日に受精卵を渡しているそうです。またBLV対策も徹底しておりBLVフリーであることも特徴です。現在OPUは福勝鶴、AIは北美津久、福之鶴、千寿剣を用いているそうです。OPUは1頭につき3回連続で行いAIで妊娠させ分娩後OPUを再開するというサイクルです。

 

母子分離は生後5日目で行い、母乳に加え人工初乳も給与しております。母子分離後はカーフハッチで1ヶ月間人工哺乳→自動哺乳器に移動します。自動哺乳器の設定は最大で8Lで3~4か月齢で離乳します。子牛も発育良好でやはり頻回哺乳を行うと増体はいいと感じました。牛舎に近づくと子牛が寄ってきて神経質でないことから雅彦さんが普段から手をかけていることが分かります。

カーフハッチの配置も工夫されており取材日は真冬であったため農場で一番日当たりの良い場所に設置してありました。当日は風が強かったため子牛はハッチの奥に逃げていました。

草地面積はイタリアンライグラス6~7町歩→2回/年収穫 デントコーン3町歩(親牛に給与分)稲わら4町歩 WCS 5反歩+借地1町5反

食用米2町5反

〝那奈雄〟の血統は〝ななひさ〟(安福久) X 〝なな〟(勝忠平)X  安平でななは15歳で生体のまま販売されました。那奈雄の親であるななひさの受精卵はまだストックが10~14個くらいあるそうです。那奈雄の前兄弟の2頭が矢板市場と青森(相対)で2頭200万越で取引されたのも記憶に新しいところです。ななひさに約10年前に幸紀雄3頭に交配しすべて肥育成績が抜群に良かったことが那奈雄選抜につながったようです。ななひさからはトータルで52頭生まれ、そのうち12頭は受精卵販売した牛で32頭は矢板市場で販売し残り8頭は自家保留したそうです。肥育成績はBMS12番9頭、11番3頭と抜群の成績です。

最後に佐藤雅彦さん当日は極寒のなか取材に応じていただき感謝申し上げます。

栃木県民一同、那奈雄がトップセールスになることを祈願しております。